第20回 オンラインレクチャー 「音楽×美術 多文化国家ベルギーの芸術の謎に迫る」

日時:2月10日(土)22:00~  24 : 00
講師:利根川由奈先生           大迫知佳子
講座 音楽×美術 多文化国家ベルギーの芸術の謎に迫る

皆様、お久しぶりです。庭園想楽の大迫知佳子です。

2024年、庭園想楽では、まずはオンラインレクチャーを中心に、作曲家・演奏家・音楽学者それぞれの立場から、多角的なアプローチのもと、議論を深めていきたいと思っております。様々な企画をご用意しておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年記念すべき(?)第1回目(通算第20回目)のレクチャーは、ベルギーの芸術についてをテーマとしています。ベルギーは、フランスやドイツなどのいわゆる大国に挟まれた小さな国でありながら、言語共同体が3つ(仏・蘭・独)あり、文化的にも複雑で非常に面白い国です。ベルギーの音楽に関しては、2019年(https://www.musicology-japan.org/activity/project_2019)、2023年(https://www.jb150sympo.org)に企画されたシンポジウム等で明らかにしてきましたが、今回は、マグリット専門家の利根川由奈先生をお迎えし、美術×音楽と射程範囲を広げて、ベルギーの芸術について皆様と共に考えてみたいと思います。皆様のご来場を心よりお待ちしております!



講座概要

2023年12月15日に『日本とベルギー―交流の歴史と文化―』(岩本 和子 編著/中條 健志 編著)が出版された。日本とベルギーは、150年以上にわたる交流の歴史をもつ。本著は、距離的には遠く隔たった両国の交流の歴史における諸現象を、法律や言語、メディアなどの多視点からひもとくとともに、交流の文化的実践のさまざまな様態を検証し、日本-ベルギーの交流が相互にもたらしたものを、複眼的・動的・立体的に探るものである。

第20回目の庭園想楽オンラインレクチャーでは、この書の出版を記念して、第8章「1960年代日本のグラフィック・デザインにおけるルネ・マグリットの受容」の執筆を担当した利根川由奈と、第9章「フランソワ=ジョゼフ・フェティスの著述における日本音楽」の執筆を担当した大迫知佳子が、それぞれの章の内容の紹介と、対談を行う。

まず、利根川が1960年代日本デザインにおけるルネ・マグリット受容の様態を明らかにする。具体的には、この時代に日本の広告デザインに多く用いられたマグリット的イメージ(ここではデペイズマン的なイメージ、ものが本来あるべき文脈から切り離して別の文脈に置き直す手法を指す)がなぜ重用されたのか、という点を、実際に作成された広告デザインの対象物によって分類し、マグリット作品と比較することによって考える。次に、大迫が、庭園想楽第5、6回オンラインレクチャーで取り上げたF. -J.フェティスの日本音楽に関する記述について説明する。具体的には、フェティスの「トナリテ」を巡って、彼が日本音楽についてどのように考え、また、自身の理論にどのように位置づけていたのかを探り、西洋への日本音楽普及が本格化し始めたこの時期にフェティス理論が果たした役割について明らかにする。

最後に、フェティスからマグリットの時代を経て現代までの日本とベルギーにおける諸芸術の交流について、思想や作品等を取り上げ、対談を行いたい。



講師:利根川由奈 先生 略歴

利根川由奈(とねがわ・ゆうな)

文教大学国際学部専任講師。専攻は美術史・文化政策史(特に20世紀ベルギー、ルネ・マグリット)。博士(人間・環境学)。著書に『ルネ・マグリット─国家を背負わされた画家』(水声社)、「ルネ・マグリットの肖像画における匿名性と二次元性」(『比較文化研究』151号)、『魅惑のベルギー美術』(共著、神戸新聞総合出版センター)などがある。




講師:大迫知佳子 略歴

大迫知佳子(おおさこ・ちかこ)

広島文化学園大学学芸学部准教授、ブリュッセル自由大学哲学・社会科学部音楽学研究所協力研究員。専攻は音楽学(近現代ベルギーの音楽、フェティス研究)。博士(人文科学)。

著書にFortune de la philosophie cartesienne au Japon(共著、Classiques Garnier)、『ショパンによるバロック音楽の受容に関する研究』(共著、ヤマス文房)、論文に「19世紀前半における和声理論と自然科学の関わり─ジェローム=ジョゼフ・ド・モミニとフランソワ=ジョゼフ・フェティスの理論を中心に─」(『音楽学』)などがある。庭園想楽メンバー。



参加方法

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お問い合わせはteiensogaku@gmail.comまでお願いします。

▷ 一般 2,000円

▷ 学生 1,000円

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また、お振込み頂いた際にteiensogaku@gmail.comまでお知らせ下さい。こちらで振り込みの確認をさせて頂き、当日の1時間ほど前にお知らせ頂いたメールアドレスへzoomのアクセスリンクをお送り致します。以下の「受講に際してのお願い」を必ずお読みいただき、ご参加ください。

----- 受講に際してのお願い -----

1. 主催者はカメラをオンにして参加する予定ですが、それぞれご事情もあると思いますので、カメラをオンにするのが難しい方はオフでも構いません(音声だけ参加も可)。ただし、お名前は実名表記でお願いいたします。ペンネーム等での参加は認められせん。

当日のイベントの様子は主催者が録画し、後日編集の上配信する予定です。ご参加の際、ご自身の顔などを映したく無い方は、カメラをオフにするなどしてください。

2. 今回はレクチャー形式になりますので、質問のある時以外は、設定を「ミュート」にして頂きますようお願いいたします。レクチャー後半に質疑応答の場を設けますのでその際に、ご発言頂けますようお願いいたします。

3. 会の運営にあたり一般的なマナーをお守り頂ける事を前提としております。暴言や他人を攻撃する行為等、会の運営を妨害していると考えた際には主催者により退室して頂くこともございますのでご了承ください。


庭園想楽

庭園想楽は、日本庭園の精神である不易流行の思想から着想した、未来につながる音楽を創造するために様々な事柄を学ぶための場です。 過去の音楽芸術の研究や、作品の制作、演奏実践等を通して今日の音楽の在り方について問い直していきたいと思います。 また「庭園想楽」に関わる人々が、それぞれの視点から音楽やその他の芸術に関わる美について考え、議論を通して新しい世界を生み出すことを目的としています。